「新日本歩く道紀行100選シリーズ」を通年で歩く人たちのクラブ「歩きんぐくらぶ」



地域を選択する

大仏鉄道遺構めぐり

大仏鉄道とは、当時の鉄道会社「関西(かんせい)鉄道」の加茂と奈良を結ぶ、わずか9.9kmの路線の愛称です。
 大仏鉄道は、営業時間が短く、当時の資料も乏しいことから「幻の大仏鉄道」と呼ばれています。
路線の跡には隧道(ずいどう=川の水や人を通すためのトンネル)や橋台(橋の上部構造の両端を支える基礎)などの遺構が所々に残され、100年以上も前の姿を今に伝えています。でこぼこの地道を行く楽しさも、まち歩きの楽しさも兼ね備えています。
番号:126016
◆コースの概要/距離:13km、所要時間:240分、高低差:-m ◆コースの起点/地名:加茂駅、最寄駅:JR大和路線 加茂駅、最寄のバス停:-、最寄からの距離:0km ◆コースの終点/地名:奈良駅、最寄駅:JR大和路線 奈良駅、最寄のバス停:-、最寄からの距離:0km ◆コースの環境・設備/トイレ:有、休憩所:有、水・食料:有、ガイド等:有、看板・標識:有、安全対策:無、近隣の宿泊:有 ◆推奨季節/春・秋 ◆その他/- ◆コースに関する問い合わせ先/木津川市観光商工課・奈良市観光振興課、電話番号:0742-34-5135





起点 JR加茂駅
0.1km (2分)
1 ランプ小屋
電気照明が普及する以前、鉄道の灯火は、主に石油ランプが使用されていました。ランプ小屋とは、その照明や、燃料となる油などを保管するための小屋です。このランプ小屋は、明治30年(1897年)10月の関西鉄道加茂駅の開業当時から残る建物で、ランプ小屋のうちでは比較的大きな造りとなっています。
0.4km (5分)
2 C57 SL展示
「貴婦人」の名で親しまれた昭和12年製の機関車。関西本線を走っていました。昭和32年には、当時の皇太子殿下のお召し列車をけん引しました。
2.2km (35分)
3 観音寺橋台
現在も利用されている関西本線の橋台と並んで位置しています。どちらの橋台もほぼ同時期に造られたものですが、百年以上が経過した今も現役の関西本線と、わずか6年という短い期間で廃止された大仏鉄道とのコントラストが、大仏鉄道の郷愁を誘うスポットとなっています。
1.1km (15分)
4 鹿背山橋台
花崗岩の石積みの橋台で最上部に枕石を2つ備えています。その堅固な構えや、水路の湿気を受けて艶やかに光る橋台の姿に魅了される人も多く、大仏鉄道の遺構のなかでも、とりわけ人気の高いスポットになっています。
1.1km (15分)
5 梶ヶ谷隧道
笠石や帯石と言った装飾がなく、他の遺構に比べてシンプルなデザインの隧道です。坑門正面はイギリス積み、アーチを形成する部分は長手積みのレンガ造り、下部は花崗岩の切り石積みです。保存状態が良いため、深紅の機関車がこの隧道の上を走っていた往時と同じように、今も隧道内を行き来することができます。
0.3km (5分)
6 赤橋
赤橋は、イギリス積みのレンガ造りの橋台で、最上部に笠石、上部に帯石を花崗岩の切り石で装飾しています。隅石も花崗岩で作られており、切り石の長辺と短辺を交互に組む算木積みにより橋の強度を堅固にしています。
現在、橋台は生活道路を支えており、今も現役で活躍しています。
1.2km (20分)
7 井関川橋梁跡
現在は道となっていますが、かつて、この場所には大仏鉄道の線路がありました。
大仏線には、線路の高低差を和らげるため、土盛りによる築堤が設けられ、井関川が流れるこの付近には、川を渡るための橋梁があったものと考えられます。
今は、南北に走る道が当時の軌道の面影を残します。
1.6km (20分)
8 松谷川隧道
迫石は花崗岩で造られ、石の長辺と短辺を交互に組み合わせた算木積み、レンガの積み方はイギリス積みです。
黒っぽく見えるレンガは、赤レンガよりも高温で焼き上げる「焼き過ぎレンガ」で、赤レンガと「焼き過ぎレンガ」とが交互に配置されているのが、この隧道の特徴です。
1km (20分)
9 鹿川隧道
奈良市内で唯一、当時の姿を今に伝える遺構。農業用水路のために造られた細いトンネルです。現在も水路として利用されています。トンネルの上が大仏鉄道の軌道跡で、現在は市道44号線となっています。
※鹿川隧道への見学用の道は設置されておりません。
1km (15分)
10 黒髪山トンネル跡
黒髪山トンネルは、長さ約86m、幅約5m、高さ約6mで、レンガ製の関西鉄道の社章が、加茂側の入口には1個、奈良側の入口には2個掲げられていました。
この周辺が線路で最も標高の高い急坂の難所であり、木津駅経由の平坦なルートが開通すると廃線になりました。
1.6km (25分)
11 大仏鉄道記念公園
大仏駅の跡地に、奈良市と地元自治会の協力で、平成4年に造られた公園です。
0.02km (1分)
12 佐保川橋脚跡
佐保川に架かる下長慶橋付近の川底に残る、レンガ製橋脚の基底部です。
1.2km (20分)
終点 JR奈良駅
現在、奈良市総合観光案内所として開所しているJR奈良駅旧駅舎は、国鉄奈良駅の2代目駅舎として昭和9年に竣工し、JR奈良駅舎として平成15年まで利用されていました。
駅舎は奈良の諸寺院の特色ある屋根を参考とした寺院風の鉄骨鉄筋コンクリート造の和洋折衷建築物で、近代化産業遺産にも登録されています。