「新日本歩く道紀行100選シリーズ」を通年で歩く人たちのクラブ「歩きんぐくらぶ」



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稲生川開拓ゆかりコース

奥入瀬川から稲生川への取水口、トンネル、サイフォン、水路橋などに見られる高い土木技術には先人たちの知恵が詰まっており、十和田の里.山の豊かな自然を感じながら先人たちの歩いた道をたどり十和田市開拓の歴史を感じます。疎水百選」に選ばれた「稲生川」は、江戸時代末期、新渡戸三代によって据削され、約3年7ケ月の歳月をかけ11㎞余りの水路を完成。三本木原への導水が成功し、以前の10倍の収穫を確保。稲を生む川として「稲生川」と命名されました。

「太素の水プロジェクトwebページ:taisonomizu.jp」

番号:102004

◆コースの概要/距離:18km、所要時間:240~300分、高低差:200m
◆コースの起点/地名:稲生川頭首工、最寄駅:-、最寄のバス停:十鉄バス焼山線 法量、最寄からの距離:0.3km
◆コースの終点/地名:十和田市立新渡戸記念館、最寄駅:-、最寄のバス停:十鉄バス焼山線 十和田市中央、最寄からの距離:0.5km
◆コースの環境・設備/トイレ:有、休憩所:有、水・食料:有、ガイド等:無、看板・標識:無、安全対策:有、近隣の宿泊:有
◆推奨季節/春
◆その他/-
◆コースに関する問い合わせ先/十和田市 観光商工部観光推進課、電話番号:0176-51-6772





起点 稲生川頭首工
奥入瀬川からの取水口。幕末に原型がつくられ、当時は大石をいくつか置き導水する構造であったが、現在は約52mの「固定ぜき」でせき止め、取水している。

1.5km (20分)
1 法量農村公園
つり橋からサイフォンやトンネル入口などの構造が見える。江戸時代の測量具(勾配器など)や掘削具(ばんづるなど)のレリーフがあり、当時の技術も学べる。

1km (15分)
2 天狗山トンネル
一番難所のトンネル(穴堰)の出口。横穴工法によって手掘りで900間(約1.6㎞)を約8ケ月で掘り、安政4年(1857)5月完成。

0.1km (3分)
3 中里隧道
新渡戸十次郎の第2次上水計画をうけついだもの。国営事業で昭和40年(1965)竣工。長さ約1.6㎞。太平洋までの水量確保のため、国営水路を稲生川に合流する。

0.1km (3分)
4 熊ノ沢水路橋
国営水路が熊ノ沢川を横断する水路橋。国営水路は稲生川より12m高く水路橋で熊ノ沢川の上を流れ、稲生川はサイフオンで熊ノ沢川の下を流れる。

0.1km (3分)
5 熊ノ沢サイフォン
江戸時代は稲生川を熊ノ沢川に合流させ、対岸の水門から再び取水していたが明治以降には水路橋で川の上を通し、昭和12年(1937)の国営事業でサイフォンに。

1.5km (20分)
6 幻の穴堰
十次郎の第2次上水計画で慶応2年(1866)に掘削。3つのトンネルを通って稲生川に合流水路を計圃し、562間(約1㎞)掘ったが翌年十次郎の急逝で未完に

0.8km (10分)
7 鞍出山トンネル
最初に着手された工区。横穴工法で1400間(約2.5㎞)を約7ケ月で掘り、安政3年(1856)4月に貫通。

0.1km (3分)
8 山神の碑・金毘羅山の碑
安政3年(1856)工事の安全を祈って土木技術者たちが建てた碑。

1.7km (30分)
9 巫女塚
イタコの墓があったため「巫女塚」と呼ばれる。
1km (15分)
10 京ノ舘の合流工
稲生川と国営水路の合流点。中世の「京ノ舘」堀跡を一部活用している。
1.2km (25分)
11 稲生川ふれあい公園
稲生川の遊休地を活用した総延長3.6㎞の親水公園。地元で人気の散歩コース。

3.3km (50分)
12 水土里ネット稲生川
稲生川から田に水を運ぶ施設の管理、水量調節などを行う。

0.1km (3分)
13 稲生橋
稲生川と奥州街道が交差する場所。万延元年(1860)開拓地を訪れた南部藩主利剛公が、川・橋・町を「稲生」と命名。擬宝珠つきの橋は当時名所として評判になった。

3.5km (50分)
14 一本木沢ビオトープ
明治時代の稲生川工事で盛り上を取った穴が農業用溜池となり、それを活用してビオトープとして整備した。様々な野鳥やホタルも観察され、今も生物多様性が守られている。

3km (45分)
終点 太素塚
太素塚は新渡戸侍が慶応2年(1866)自ら建立した墓。明治4年(1871)理葬され、現在は長男・十次郎、孫・新渡戸稲造の分葬墓が並ぶ。